動画やSNSで、ひそかなブームを巻き起こしているカワウソをご存知ですか。イタチのような長い体につぶらな黒い瞳、つややかな体毛を持ち、そればかりか愛くるしい仕草の数々にキュン死にしたとつぶやくツイッター民も続出しています。
2017年8月には、長崎県の対馬で「カワウソ」の発見のニュースが日本をかけめぐりました。日本国内では、2012年にニホンカワウソの絶滅宣言が出されており、もしニホンカワウソであれば大発見となるはずでした。
残念ながらその後の環境省によるDNA鑑定の結果、ユーラシアカワウソであることがわかりましたが、動物好きの胸おどらせるニュースであったことは間違いありません。
もちろん本項をお送りする動物ライター北川も、そうして胸高鳴らせたひとりです。
かわいらしいイメージの先行するカワウソ、しかしその実態は野生に暮らす肉食獣でもあります。愛らしさとのギャップもかわいいカワウソの生態をご紹介いたします。

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大きいものは体長2m、カワウソはどこに住んでいる?

カワウソは、南極大陸、オーストラリア大陸、ニュージーランドを除く世界中に生息しています。また、南アメリカ大陸に住むオオカワウソは、なんと体長2mにも達する大型のカワウソで、アマゾン川とその支流で暮らしています。
一般的にカワウソは川辺の生き物という印象がありますが、実は海で暮らすカワウソもいます。
かつては日本でもニホンカワウソが各地の水辺に生息していましたが、残念ながら2012年に絶滅宣言が出されています。身近な動物園で見ることができるのは、近縁種のユーラシアカワウソやコツメカワウソなどです。

好奇心が強くてやんちゃ、カワウソの生態

イタチ科に属するカワウソは、肉食性で、ザリガニや魚、甲殻類やカエルなど水辺の生き物を主な食餌としています。虫やネズミなどの小動物を餌にすることもあります。
寿命は種によって多少の上下はあるものの、野生下で8~9年、飼育下の個体で12年ほどと言われています。
単独で生活する個体もいますが、グループを形成して家族で暮らしているカワウソも確認されています。

繁殖できるよう成熟するのは2歳ごろと言われ、1~6頭の子どもを出産します。カワウソの子どもは産まれて1ヶ月ほどは巣穴で過ごし、1年も立たないうちに親と見分けがつかないほどに成長します。ほとんどのカワウソは一夫一婦制で過ごしますが、子育ては主にメスの役割です。

カワウソは好奇心が強く、遊ぶことが大変好きです。ペットとして人気となっている個体はこういった性質が顕著であるカワウソだといえるでしょう。
水かきをもつ前肢を器用に使うことができ、日本の動物園ではカワウソに餌を与えて握手するというイベントを開催しているところがあるほどです。

8分間の水中格闘が可能! カワウソの持つ酸素貯蔵庫

カワウソは水と陸両方に暮らす、水生哺乳類であるのはご承知の通りです。
食欲旺盛な動物で、魚や甲殻類にだけでなくヘビなどの爬虫類をもエサとします。
当然、魚介類の捕獲には潜水が不可欠です。これには、カワウソの持つ素晴らしい能力が発揮されます。
まず、彼らの毛皮は水を弾き、水中で体温を奪われないよう保温することができます。そして次に、潜水中は耳と鼻の穴を閉じることもできます。
これにより、潜水による体へのダメージを最小限にとどめられるのです。

そればかりでなく、カワウソは水中で8分間も息を止めることができます。
これには、ミオグロビンという物質が関係しています。ミオグロビンは酸素と結合し、体の中に酸素の貯蔵する働きがあり、酸欠を防ぐために大いに役立つ物質です。カワウソに代表される水生哺乳類は、それを人間の10倍持っているとも言われています。
カワウソが水中の狩人として、素晴らしい強みを持っていることがわかります。

カワウソVSアリゲーター 勝つのはどっち?

水辺に棲む肉食の生き物は、カワウソばかりではありません。ワニもまたカワウソの生息する水辺で獲物を狩って暮らしています。
この両者、もし鉢合わせたらどうなるのでしょうか? 
最大6mにも及ぶアメリカ大陸のアリゲーター、流石にこれほどの相手ではカワウソも苦戦を免れないはずです。
しかし、生息地の大部分で、カワウソもまた上位の捕食者です。ワニの弱点である背中から襲いかかって首を噛んで仕留めるという、強さと賢さを持ち合わせているのです。
この時カワウソは持ち前の体力を駆使します。水中で長く行動できるカワウソの利点は、この時にも発揮されるのです。アリゲーターの瞬間的な力は比類ない一撃を産みますが、持続力がありません。持久戦に持ち込めばカワウソにもチャンスがあるのです。大きさで劣るカワウソが、1.5mのアリゲーターを仕留めた記録も残っています。当然ながら、毎回完勝というわけにはいきませんが、良い好敵手であるともいえそうですね。

まとめ

愛くるしい容姿で人気のカワウソに2mにも及ぶ大型種がいることや、アリゲーターと戦って勝利することがあるとは、大変な驚きです。
かわいさの中にするどい牙を隠しているカワウソ、そのギャップがまた魅力的ですね。
ペットとして飼育するには高額ですし、家庭での飼育ノウハウの少なさもあり敷居の高い動物ですが、全国各地の動物園や水族館でカワウソには会うことができます。
神奈川県の京急油壺マリンパークでは定期的に握手イベントも開催されていますよ。ぜひお近くの動物園や水族館を調べて、かわいいカワウソに会いに行ってみてくださいね。