『おびひろ動物園』は北海道の帯広市にある動物園で、1963年(昭和38年)道内としては札幌市の円山動物園に続き2番目に開設されました。開設後、2003年(平成15年)北海道教育委員会から“博物館に相当する”施設として認定されたことで、教育機関の一つとして位置付けられています。なお、おびひろ動物園では、熱帯地方を原産とする“動物たちの耐寒訓練”を国内でいち早く取り組む他、『帯広市図書館』や『帯広百年記念館』並びに『帯広市児童館』などと連携し、各施設の特色を活かしたイベントを積極的に展開しています。

因みに、2008年(平成20年)からは、冬期(12月~2月)の開園も行っていて、周囲の自然が豊かな特性を活かし、映画やテレビの取材や撮影などでしばしば取り上げられています。また、おびひろ動物園内には、『氷雪の家』と名付けられた冒険家上村直己の記念館があります。帯広と上村直己との関係は余り定かではありませんが、一説によると“エスキモー犬”を寄贈したことが、縁の始まりだったといわれています。

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上村直己記念館

登山家・冒険家として知られる上村直己氏は、1941年(昭和16年)兵庫県(現豊岡市)で生まれ、1960年(昭和35年)明治大学に進み山岳部に所属しました。卒業後の1965年(40年)明治登山隊に参加し、世界第6位のヒマラヤ山脈の『チョ・オユー(8,201m)』の登頂に成功しました。その後もヨーロッパのモンブラン(4,811m)やマッターホルン(4,478m)、アフリカのキリマンジャロ(5,895m)、南米のアクアコンガ(6,961m)など世界の名だたる頂きを極めています。なお、上村直己の名前が世間で知られるようになったのは、1978年(昭和43年)世界発の“犬ゾリ単独行”による、北極点到達の偉業でした。

1984年2月12日自身の43歳の誕生日に、世界初のアラスカ最高峰マッキンリー(現デナリ)の冬季単独登頂に成功し、翌2月13日の交信を最後に消息不明となりました。明治大学山岳部の2度に亘る捜索活動でも遺体が発見されることはありませんでしたが、登頂の証拠として山頂に立てた日の丸の旗と雪洞に残された遺留品が発見されています。そのため、最後に交信し消息が確認された2月13日を命日としています。因みに、1984年(昭和59年)マッキンリーで亡くなったとされた年に、『国民栄誉賞』を受賞しています。そして、上村直己が帰らぬ人となった翌年の1985年(昭和60年)、おびひろ動物園内にイグルーを象った上村直己記念館『氷雪の家』が作られました。イグルーとは、カナダ北端辺りで使用されている“雪で造った避難小屋”のことですが、その中にはマッキンリーで実際に使っていた用具や資料など、或いは北極点やグリーンランドを走破した実物大の犬ゾリの模型や犬のはく製なども展示されています。

珍しい動物たち

おびひろ動物園では、日本で唯一北海道にしか生息していないシマフクロウの繁殖や研究を手掛けていますが、それ以外にも『鷹(タカ:Hawk)』や『鷲(ワシ:Eagle)』など鳥類の飼育展示が充実しています。因みに、タカとワシの区分とは、一体どうなっているのでしょうか。実は、学術的な分類では、何れも『タカ目タカ科』に属する鳥類なのです。結論から言うと、厳密な区分はなく比較的“大きなものをワシ”といい、“小さなものをタカ”と呼んでいます。通常、大きなタカの仲間にはオオワシ、オジロワシ、イヌワシ、ハクトウワシなど、小さなタカの仲間にはオオタカ、ハイタカ、クマタカなどがいます。ただ、クマタカは大型なのでワシの仲間、またカンムリワシは小型なのでタカの仲間と呼んでも差し支えありません。なお、おびひろ動物園で飼育展示している珍しい動物は、次のようなものがものです。

(1) アメリカバイソン

『アメリカバイソン』は北アメリカの主に草原に分布していますが、アメリカ開拓時代には乱獲によって一時絶滅しかかった歴史があります。現在、おびひろ動物園にはオス1頭、メス2頭飼育していますが、何れもおびひろ動物園で繁殖し人工哺育で成獣となったものです。

(2) アメリカビーバー

『アメリカビーバー』は北アメリカ大陸のカナダからメキシコまで広範囲に分布しています。げっ歯類の仲間ではカピバラに次いで大きな体を持っていて、強力な歯で木や樹皮などを食べます。また河川や湖に巣をつくり、水をせき止めて『ダム』を作ることで有名です。殆ど水中で生活しているので、足には大きな水掻きがあり、シッポは平らで泳ぐときはオールのように使います。

(3) エゾモモンガ

『エゾモモンガ』は本州以南に生息するニホンモモンガとは別種で、ユーラシア市大陸に生息しているタイリクモモンガの亜種といわれています。木の洞(ほこら)やゲラの開けた樹の穴などに巣穴を作り、夜行性で1日の大半を樹上で生活します。体側にある被膜を広げて滑空する姿が有名ですが、通常は20~30mくらい移動しますが、場合によって100m以上滑空することがあります。

ふれあい教室

おびひろ動物園は、2017年5月8日(月)~11月2日(木)のお盆期間を除く平日の午前中に2回、『うさぎ』と『モルモット』を抱いたりするなどして“生きている動物体験”を実施しています。参加資格は、団体で申し込んだ未就学児や小学校低学年に限られていますが、1回当たり30名の参加受け付けをしています。因みに、この体験学習に参加する場合は、事前に行う“ふれあい教室”で予め注意事項などを教わりますが、安全確保のためアレルギーの有無の確認も行われます。

むすび

帯広市は、日本で唯一『ばんえい競馬』が開催されます。公式競技としてばんえい競馬が開催されたのは、戦後間もなくの1947年(昭和22年)のことです。その後、北海道の各都市に広がりましたが、主に経済的理由から撤退し、今では帯広市のみが開催しています。ばんえい競馬は、馬体重が800~1,200kgの馬たちが、騎手と重量600~700kgの荷重を乗せたそりを曳いて、砂地のコースを走って着順を競います。ただし、コース全長は200mの直線で途中に2か所の小高い山の障害があり、如何に惰性を利用して走り切るかで騎手の手腕が試されます。

テレビの競馬中継を見慣れている競馬ファンは、目の前で実物のばん馬を見ると驚嘆すると思います。また、レース中のばん馬の身体から吹き出る湯気を見ると、思わず引き込まれ身体じゅうに力が入ります。おびひろ動物園に行かれた折には、ばんえい競馬場に是非立ち寄られることをお勧めします。

 *所在地:帯広市緑ヶ丘2
*URL:(http://www.city.obihiro.hokkaido.jp/zoo/obihiro_zoo.html)
 *電話番号:0155-24-2437
 *最寄り駅*JR帯広駅から9番線のバスで20分