リアルファーとは毛皮です。近年はフェイクの素材が上質なものになってきたこと、またファッションのために動物を犠牲にするのかという声が高まったこともあり、「毛皮は着ない」を信条とする有名人も多く見かけます。

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リアルファー問題:生きていくために必要だった

ちょっと想像してみれば分かることですが、酷寒の地に住んでいて食物や生活に必要なものを賄おうとすると狩猟は正に天からの恵みです。生きていくために食べる、その動物の毛皮を利用して身にまとう、脂が利用できるなら使わせていただく。そのような生活を送っているからこそ、食物を与えてくれるこの大地に感謝を捧げ、大切に無駄のないように使わせていただくという思想が生まれてきたのでしょう。

しかし時代が変われば、思想も変わります。今この時代において、冬場の寒さをしのぐために毛皮を求める必要がある地域がどれほどあるというのでしょうか。適切な管理の元で行われる一定の駆除が必要な場合もあるでしょうが、商業ベースの思想のみで行われる毛皮の採取が嫌悪される理由の1つに、その非人道的な動物たちを取り巻く環境があります。

リアルファー問題:生きたまま皮を採取する動画の衝撃

毛皮問題がここまで大きくなったのは、恐らくは中国にあって撮られたであろう上記の画像が出回ったことが大きな理由の1つです。これをもって全ての毛皮業界を判断するのは危険だと思いますし、食肉加工の過程で出てくる副産物の利用というものもあるはずです。
しかし「生きていくために」必要だからではなく「売るため」だけに育てられ、不必要な苦痛に晒される動物がいるのなら、どうしても拒否反応が出てしまいます。それは犬猫の場合と全く同じです。

リアルファー問題:生きたまま羽根を抜くダウンの衝撃

これと同様のことがダウンにも言えます。寒さをしのぐために手頃なダウンですが、こちらも一部の心ない業者によって生きたまま羽根を毟り取られているという現実があります。
世界的大手企業はこうした業者からのダウンを使用しないこと、トレーサビリティを厳格に管理していく手法にシフトしており、それが主流になりつつありますが、自分たちの周囲が生きていくために必要だという枠を踏み越えて儲けを主眼に据えた時、人間は恐ろしいことを平気で行う存在へと変貌するんですね。生きた水鳥からの採取ではない証としては、ダウンパスというラベルが付いています。

このダウン問題と並行して、その主産物となるフォアグラにも批判が高まっています。
無理矢理に餌を食べさせて肝臓を肥大化させる手法が残酷だというものですが、どうしても必要な分だけを人道的な手段で管理していただきたいと強く望みます。

リアルファー問題:オーストラリアのウールの衝撃

ウールは毛を刈り取るだけだから問題ないだろうと思っていたら、とんでもないことでした。オーストラリアの一部の業者、牧場において、その乱暴な扱いと品種に特有な特性を回避すべく恐ろしい措置が施されていたのです。

羊毛採取のために改良された品種について、皮膚などにシワが多くウジ虫が繁殖することを防ぐ目的で仔羊のうちに臀部及び周辺の肉を切除することが行われています。
これをミュールシングと呼ぶようで、オーストラリア・牧場・羊という牧歌的なキーワードと真逆な現実に、言葉を失う思いです。

この残酷な方法に動物愛護団体が声を上げ、政府も腰を上げた模様ですが、明確な改善策は未だ出されていないようです。NPO法人アニマルライツセンターにはこれらの羊たちがその後どこへどのような状態で送られ、どんな最期を迎えるかが書かれています。気になる方は見てみて下さい。

個人的な思いとして、余りに過激な保護団体の一方的で声高な主張には慎重にならざるを得ません。時として一部のみを取り上げて抗議することもあるように思えますし、その国の伝統や文化を考慮せずに自分たちの正義の刃を振りかざす姿勢には共感できないものもあります。

しかし現実に行われていることから目を逸らすことは、もっと苦痛です。毛皮を着る着ない、ダウンはラベルを確認して購入する、ウールよりもコットンを愛用する…それは個人の自由な選択です。毛皮が好きだからって、罪悪感を抱く必要はありません。ただ生きていくために必要だという以外の理由でこの世に生み出され、毛皮やダウン、ウールへと姿を変えざるを得なかった生き物がいるということだけは、頭の片隅に置いていただければと思います。