こんにちは!我が家の目の前に広がる丘を、この前ニホンカモシカとキジが通り過ぎて行きました・・・自宅がまるで動物園のような所に住んでいる、動物ライターのタケイヌです。
さて、世界には沢山の動物園がありますが、近年動物園の在り方についてさまざまな議論がされているのをご存知でしょうか?今日は世界の動物園の歴史と今をお伝えします。

スポンサーリンク

動物園は何の為に生まれたのか?

動物園の起源は、王侯貴族がコレクションや宝物として動物を集めて展示する、趣味のような形から始まったそうです。そして1826年に「ロンドン動物学会」という団体が設立され、今の動物園の流れを作っていく「ロンドン動物園」が1828年に開園しました。しかし歴史をたどると、1752年にオーストリアで動物を観覧できる施設「シェーンブルン動物園」が開園したという記録もあり、人類は260年以上も前には動物を集め、見る事に強い興味を持っていたようです。日本でもイギリスに遅れること1882年に上野動物園が誕生しましたが、当初は一般の人に向けて動物を展示し、見て学習してもらう博物館的な要素が目的だったようです。

動物園の変化と問題

日本では珍しい動物を他の国から贈呈、交換して入手していましたが、1900年頃には、動物をどんどん購入して展示するようになり、本来の学習の目的よりも娯楽として大変な人気が出ました。しかし当時は狭い檻に入れたままで展示するなど、動物にとってはあまり良い環境では無かったようです。その頃世界では日本より先に「動物を檻のみで飼育するのではなく、自然に近い環境で飼育する必要性がある」という研究がイギリスやアメリカ、ドイツなどで進み、動物自身の事を考えた展示方法や飼育方法が新しく作られて行きました。しかし日本では、現在も動物の為の環境整備が進まない園も多く、海外からは批判を受ける事もあるようです。

現在の動物園の役割

動物園で見ることのできる動物は、野生では人間の環境破壊や乱獲によってどんどん減っています。
そこで現在の動物園では、世界規模で「種の保存や研究」に力を入れるようになりました。
野生で絶滅しかかっている動物を、動物園で保護して生態を研究し、繁殖して将来は野生に戻す事ができるようにと活動しています。また同時に、動物園を訪れた人に対して楽しみながら動物に興味を持ってもらう事で、動物を大切にしていこうという気持ちを育てていく「教育」の役目も担っています。

動物園の変化

希少な動物を最大限良い環境で育てて増やすために、「ブリーディングローン」という制度が広がり、世界中で絶滅の危機にある動物達は、血統を管理し、一つの動物園に集める、交換するなどして飼育されています。その為ゾウやゴリラ、サイなど今までどこの動物園でも見られるだろうと思っていた動物も、どんどん見ることが難しくなっています。一般の人にとっては少し残念な事かもしれませんが、その代わりにそれぞれの動物園で扱っている種を大切に飼育する為に、特色のある展示内容や工夫が見られるようになりました。

日本の動物園が無くなる?

日本には動物園が大きいものから小さいものまで100以上あり、保護活動や繁殖に積極的に取り組んでいる園もありますが、そうでない園もあるようです。世界中で「動物をもっと大切にしていこう」という運動が高まっている中、経済的な理由や運営母体の反対などでそういった一歩を踏み出せないような動物園は、この先無くなっていくのではないか?と筆者は考えています。20年前にロサンゼルスの動物園に行きましたが、動物の生態に沿った展示方法の素晴らしさや、来園者に向けてショーやガイドを使って動物について楽しく学ぶことができるスタイルにとても感銘を受けました。これからの日本でもそんな素晴らしい動物園が増えると良いなと思っています。

いかがでしょうか?長い歴史の中で、人間の娯楽の為であった動物園から、現在は動物そのものの為の動物園に、と形が変わってきています。動物園に行こうと思っている方は、このような動物園の歴史や今現在の形を感じながら、楽しんで頂けると良いのではないかと思います。