コミカルな動きやしぐさを見せる、マスコットキャラクターやグッズなどで、親しみがあるホッキョクグマ。白熊(シロクマ)とも呼ばれ動物園で見せる姿は、のんびりとしていてユーモラスです。子供のシロクマが見せるしぐさや表情はとてもかわいらしく園内でも人気者です。
北に広がる大自然、北極の地で野生のホッキョクグマは暮らしています。厳しい自然の中でどのように行動し、どのようなものを食べて生活しているのでしょうか。ここでは、野生に暮らすホッキョクグマの生活について見ていきましょう。

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ホッキョクグマとは

北アメリカ大陸北部やユーラシア大陸北部などの北極地方に分布し、カナダ北東のハドソン湾沿岸はホッキョクグマが多く生息する地として知られています。肉食類の中でも最大級の大きさで、体長はオス・2m~2.5m メス・1.8m~2m、体重はオス・400~600kg メス・200~350kgに達し、集団で群れを作ることはなく、単独行動が一般的です。シロクマの名前の由来となっている白い毛ですが、実際には透明で空洞になっています。空洞のため保温性が高く体を温め、光の散乱によって白く見える毛は獲物を取るときのカモフラージュの効果を発揮します。

巧みな狩りと食事

雑食性でいろいろなものを食べるホッキョクグマですが、ワモンアザラシやアゴヒゲアザラシなどアザラシが主食です。他には魚類や鳥類の卵、シロイルカなどがあり、季節によってコンブやイチゴなどの植物も食べます。大きな体にもかかわらず泳ぎはとても上手ですが、巧みなのは優れた嗅覚を活用した氷上で行われる狩りです。アザラシやシロイルカは呼吸をするために、氷の穴(呼吸口)に顔を出します。ホッキョクグマは敏感にこの臭いをとらえて、穴の前で待ち構え顔を出したところを捕まえます。また、遠くから氷の上を近づく獲物の臭いを察知して、氷上で待ち伏せできることも優れた嗅覚のためでしょう。

暮らしと子育て

ホッキョクグマにとって氷の上が生活の基盤ですが、6月に入り氷が溶けはじめると暮らしぶりにも変化が訪れます。氷が溶けたことにより海が広がったため、今までのようにアザラシなどを取ることができません。このため、数百キロ離れた陸地に泳いで渡り、再び海が凍結する時期を待ちます。陸地での生活は食べ物が不足しているため、植物を食べながら体力の温存をはかります。3月~6月にかけて交尾が行われることが多く、11月~翌年1月に1頭~4頭を出産しますが、2頭出産するケースが一般的です。生後3ヶ月までは母熊のミルクで過ごし、約2年の時間を母熊と一緒に生活します。この期間は母熊から狩りの方法を学ぶなど、後の成長に大きくかかわる大切な時間です。

天敵と温暖化

大きな体と力強さを持ち、優れた嗅覚を持つホッキョクグマは北極地方において無敵といえるでしょう。強いてあげるならば、海洋系で狩りの技トップクラスのシャチが天敵です。奇襲や集団による挟み撃ちなど、高い知能を持つことでも知られています。
ここで問題になるのが、地球の温暖化です。地球が温暖化することで、北極の氷が溶け海洋が広がります。このため、水中の活動時間が多くなったホッキョクグマがシャチに襲われるケースが多くみられます。先程も氷の上が生活の基盤とお伝えしましたが、温暖化による影響で北極の氷が減少、食べ物を取る場所や子供を育てる環境が減っていることも事実です。野生のホッキョクグマはこのような環境で生活しています。

おわりに

ここまで、野生に暮らすホッキョクグマの生活について見てきました。白い毛の構造や役割、泳ぎが上手なことや優れた嗅覚を持っていることをお伝えしました。賢く食べ物を取る方法を持ちながらも、温暖化で氷が溶けたことで困っています。動物園でホッキョクグマを見るとき、今回お伝えしたことを思い出しながら見ていただくと、違った面白さを発見できるかもしれません。