以前、犬の飼育頭数が猫の飼育頭数に近づいたことが話題になりました。
実際には犬の飼育頭数が右肩下がりを続ける中、猫の飼育頭数が横ばいを維持しており、この2つの線の逆転が話題になったというのが真相です。

この報道が現実味を持って受け止められたのはなぜか。それは小型犬の増加と共に散歩などの手間がかからない犬の飼育へ、犬よりは飼い主負担の少ない猫の飼育へと変化してきているのではないかという実感があったからではないでしょうか。背景にあるのは、もちろん日本社会で進行しつつある少子高齢化です。

スポンサーリンク

殺処分ゼロに向かって知っておきたいこと:お金

では犬や猫の飼育には、実際どの程度の費用がかかるのでしょうか。
(社)日本ペットフード協会が公表している数字によれば、2016年の飼育の実態調査による結果、フードと医療費などにかかる費用は犬で年間120万円、猫で100万円弱という数字が示されています。犬や猫の寿命は15年前後、飼育状況などによる変動はあるでしょうが、これらの費用が毎年かかってくることになります。

殺処分ゼロに向かって知っておきたいこと:医療費

ペットを新しく迎えた時、まず病院に連れて行って病気の有無を調べてもらい、ワクチン接種を受けるのが一般的です。適齢期がきたら避妊や去勢手術も必要になります。
順調にいけばこの後は年に1度のワクチン接種程度で済みますが、犬や猫も生き物である以上、病気や怪我と無縁ではありません。保険が利用できれば費用を抑えることができますが、これらの負担は確実に家計を圧迫しますし、協力者がいなければ対処できないこともあります。また犬や猫がかかりやすい病気(猫の腎臓病など)もあり、フード選びから注意が必要だったりと、時間も手間も要求されるというのが実態です。

殺処分ゼロに向かって知っておきたいこと:覚悟

犬や猫に限らず、生き物を飼うということは様々な問題、要求を私たちに突き付けてきます。多くの費用、時間や手間、旅行などの制限や犠牲があったとしても、一生を共に生きていくという覚悟を持てますか?こう私たちに問いかけてきます。命あるものが相手なのですから、これは当然でしょう。そこまでの覚悟も自信も時間もない、けれども動物は好き…そういう場合は、猫カフェなどを利用してみるのも選択肢です。彼らと時間をかけて触れ合い、自身の気持ちが確認できてからパートナーを迎えるのは、私たちにとっても犬や猫にとっても必要な時間です。

殺処分ゼロに向かって知っておきたいこと:遺棄

犬や猫、そして飼い主にとって最悪なのは、衝動的に購入して面倒になったから遺棄するというパターンです。引越先がペット禁止だから、病気になって費用がかかるから、理由は様々あるでしょう。動画サイトには、このような経緯で捨てられたペットたちの物語が溢れています。それでも「幸せになりました!」と紹介されるケースはごく一部で、多くの場合は不幸な結果に終わっているのではないでしょうか。どうしても手元におけなくなった場合は保護団体への相談も含めて、可能な限り引受先を見つける努力はしてあげて下さい。これまで共に生きてきた相棒なのですから。

殺処分ゼロに向かって知っておきたいこと:ともに生活するすばらしさ

人間は愛されているという自信があると、輝きを放ちます。子育ての経験がある方は、ここに実感を持っていることと思います。結婚を控えた女性が眩しくキラキラと輝いて見えるように、犬や猫も愛情を確信すると顔が変わってきます。そうした彼らの輝きや愛情表現は私たちをも輝かせてくれますし、信頼という絆で結んでくれます。

費用や手間がかかったとしても、この喜びは他に代え難いものがあります。
可愛いから愛しているのではありません。亡くした時の辛い思いも覚悟の上です。
愛情を受け入れてくれる存在があるということ、愛情を受け入れる存在になれるということ。
彼らがどれだけ素晴らしい力を持っているか、それは生活や時間を共にしてきた者だけに与えられる秘密の喜びと言って良いかもしれませんね。