顕微鏡で見た病原体は見覚えのあるものばかりだった。例えば、家禽の肉にいるサルモネラ菌。これに汚染された卵、果物、野菜を食べると食中毒を引き起こす菌だ。そして、ブドウ球菌。吸い込むと肺炎の原因になりうるもので、ヒトの皮膚に一般的にみられる種もいる。真菌の存在は驚きだった。

 不可解なのはその種類ではなく、見つかった場所だ。

引用:ナショナルジオグラフィックス

白と黒のカラーリングから海のパンダとも言われるシャチ。しかしその容姿とは裏腹にかなり残虐な一面も見られます。私がテレビで見たその様子は、子供のアシカを自身の尾ビレで空中に何度も飛ばし、弱らせてから捕食という残酷な映像でした。何もそこまでしなくも・・とも思いましたが、一説には子供に狩りの方法を教えているともいわれています。
また、集団にもなると自分よりも大きなクジラを襲う事もあり、イギリスではKiller Whale(殺し屋クジラ)、学名ではOrcinus orca(冥界よりの魔物)と悪者の名前しか付きません。
そんな悪いイメージしかないシャチですが、北米の西岸沖に生息している群れが危機に瀕していることが研究結果で明らかになりました。海の中では天敵の無いシャチですが何故このようなことが起こっているのか、シャチではなくイルカに乗ってみたいピッキュウがご紹介致します。

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シャチの生息域及び生態

一般的には水温の低い地域に生息しているのですが、赤道付近の温暖な水域にも生息しています。クジラの仲間では珍しく、これだけ広範囲に生息しているのはシャチだけです。

シャチは家族で群れを作り、その数は最大で40頭ほどで狩りも集団で行います。また各集団で餌が異なり、魚などを食べる定住型とアザラシなどを食べる回遊型とに分かれます。

仲間同士のコミュニケーションにも長けており、様々な声を発して仲間との会話や狩りをします。狩りが上手なのはみんなで話し合っているからなのでしょう。

偏食なシャチ

その群れごとにお好みの餌があり、一旦その味を覚えるとそれしか食べないという習性があります。ある海域ではホオジロザメの味を覚えたシャチが、その個体を激減させたと言う報告があり、またあるシャチは子クジラの舌と口の周りだけを食べるという何とも残酷な例もありました。ちなみに人間は捕食の対象ではなく、襲われて死亡したケースもありますがこれはじゃれていたり、好奇心で噛んだりしています。犬でいう甘噛みの様なものですね。

水槽を泳ぐクジラ

シャチを脅かす敵

自然界でのシャチの死亡原因としてウィルスなどによる肺炎や、寄生虫、飢餓、ストライディング(生きている状態での座礁)が挙げられますが、今回北米の西岸沖での死亡原因は陸にしかいないはずの真菌でした。発見されたのはサルモネラ菌、これは家禽などの肉に生息する菌で、ブドウ球菌は人体などにいる細菌です。また耐性菌も発見され、通常クジラ類には関係のない感染因子がどうして感染したのか、考えられるのは下水や生活排水が雨で海に流れ着いたことが挙げられています。

激減した個体数

かつてこの海域には数百頭ものシャチが生息していました。しかし20世紀になりこの地域では有害物質や開発などが進み、シャチの主食であったマスノスケ(キングサーモン)が減り、これによりシャチの個体数も減ったと考えられます。
またシャチの餌が少なくなった事で弱くなり、病気にもかかりやすくなったのも個体数激減の要因の一つでしょう。現在この海域には78頭しか生息していませんので、これ以上個体が減少しないことを祈っています。

切り身のキングサーモン

さいごに

今回シャチの病原体が見つかった海域ですが、このすぐ近くの海域に生息しているシャチから全く別の微生物が検出された事も明らかになりました。そうなってくるとこの海域だけの話ではなくなるので一刻も早い研究・対策が求められます。